方針・理念・目的等

当科では患者さんにわかりやすい説明をこころがけ、納得していただいた上で迅速・適切な対応をさせていただいております。
また術後の合併症を予防し安全な手術をおこなうためクリニカルパスにもとづいた多職種チーム医療を実践しています。

概要・特色

 昨今の外科治療では鏡視下の拡大視効果に基づいた新たな外科局所微細解剖が再認識され、手術器具の進化と相まって鏡視下手術はもちろんのこと開腹手術(特に肝胆膵の高難易度外科領域)におきましても日々手術手技は改良され進歩し続けています。

 我々も怠ることなく常に新しい知見や手術手技を取り入れ、適宜、最新の機器を導入し、日々の外科治療、手術に全力で取り組んでおります。

 当センターには東近江医療圏で唯一の3次救命救急センターが併設されており、外科も 24 時間のオンコール体制をとることによって常に緊急手術が行える体制を整えています。

 当科スタッフは、消化器外科専門医、乳腺専門医、移植学会認定医等、各分野のスペシャリストで構成されています。エビデンス・ガイドラインに基づいた診断・治療を基本とし、さらに経験で得た最善と思われる方法、工夫も提案し、患者さん一人一人にとって最適な治療法(テイラーメイド医療)を提供できるよう日々努力しています。

 一方、当センターにはリクライニングベッド、チェアを有する外来化学療法室が整備されており、専任看護師、薬剤師のサポートのもと、リラックスして抗癌剤治療を受けていただけるよう努めています。2016年7月1日から10床に改築増床され、積極的に各種進行・再発癌に対する通院での術前・術後化学療法を行っています。

消化管・肝胆膵外科

 最新の機器を導入し、胆石症、胃癌(早期癌と一部の進行癌)、大腸癌・直腸癌(早期・進行癌)などの待機手術に加え、急性虫垂炎や胆嚢炎、消化管穿孔、腸閉塞、外傷性腹膜炎等の緊急手術においても、できる限り、傷が小さく正確な病体把握が可能な鏡視下手術を第一選択とし、緻密で整容性の高い手術を目指しています。特に直腸癌手術では、狭い骨盤腔内において鏡視下の拡大視効果を最大限活用することにより、できるだけ永久人工肛門を回避する術式を取り入れています。

 急性虫垂炎に対しては、ほとんどの症例で非常に整容性の高い単孔式(へそ孔)の鏡視下手術を行っていますが、いったん抗生剤投与で保存的加療を行い、数ヶ月後により安全に行う症例も増えています(待期的単孔式虫垂切除術)。  

 一方、血管合併切除を伴うような肝胆膵腫瘍に対する高難易度手術もガイドラインに従って積極的かつ安全に行っており、肝癌(転移性癌をふくむ)、低悪性度の膵腫瘍にも鏡視下手術も取り入れています。

 消化管癌の術後は1週間から2週間をめどに退院していただけるよう入院からの治療・経過を標準化(クリニカルパス化)し、わかりやすく安全で精度の高い医療を提供しています。

 

胃癌について

【概 要】【胃癌の腹腔鏡下手術について】

 基本的には胃癌ガイドラインに準じて治療方針を決定しています。ほとんどの早期胃癌および一部の進行胃癌に対し、創が小さく繊細な操作が可能な腹腔鏡下手術を行っています。2018年は全症例の60%に行いました。

 胃の出口側をとる手術、入り口側をとる手術、すべてとる手術、全ての術式において腹腔鏡下手術で安全に行っております。腹部の大きな手術をしたことがある方や、進行胃癌の中で腹腔鏡操作が困難なもの(腫瘍のサイズが極めて大きい場合など)に対しては開腹手術を選択します。手術時間は術式、患者さんの体型、手術の既往の有無などにより変わりますが、腹腔鏡でも開腹でも3~6時間程度です。

 腹腔鏡下手術を積極的に導入することにより、手術の精度の向上、患者さんの術後疼痛の軽減を図り、入院期間の短縮、早期社会復帰に努めています。2018年度の腹腔鏡による胃癌術後の在院日数の中央値は7日程度でした。

 また、近年の高齢化に伴い、80歳を超える方の胃癌手術も増加しております。もともと他のご病気をお持ちの方も多く、当科ではそういった方々に対する胃癌手術でも安全に行えるように統計をとり解析し、日々より低侵襲(体に負担の少ない)な手術、患者さんに応じたきめ細やかな術前術後管理を適宜他科とも連携し行っております。

【高度進行胃癌について】

一方、高度進行癌や再発胃癌に対しては、消化器内科とも連携し手術と化学療法を組み合わせ、腫瘍の縮小やダウンステージ、進行や再発の抑制を図り、治療成績の向上に努めています。

 

大腸(結腸・直腸)癌について

【概 要】

  大腸癌は近年日本でも増加している悪性腫瘍の一つで治療は手術が原則とされています。当科では早期癌はもちろんのこと進行癌におきましても創が小さく整容性に優れた腹腔鏡下手術を第一選択としており、2018年は全症例の72%に行いました。

 基本的には大腸癌ガイドラインの治療方針を提示させていただき、個々の患者様の病状に合わせた最適な術式や周術期化学療法等を決定しています。

【大腸癌の腹腔鏡下手術について】

 腹腔鏡下手術は優れた拡大視効果により繊細で安全な手術操作が可能になったことが最大の特徴で、開腹手術に比べ根治性(ガンを遺残なく切除すること)の点で劣らないこともわかっています。

特に開腹下では見えにくかった下部直腸癌の手術において威力を発揮し、当科でも人工肛門(ストーマ)を回避する肛門温存術式が増えています。しかしながら、この術式は術後の排便機能障害(頻回な排便)や肛門機能障害(便の漏れ)を来す可能性もあり個々の患者様の病状に合わせ慎重に適応を決定しています。

【人工肛門(ストーマ)について】

 以上のように当科では可能な限り肛門を温存する術式を第一選択としていますが、やむを得ずストーマを造設した場合は退院後も外来において専任の看護師(皮膚・排泄ケア認定看護師)が個別に対応し、ストーマ周囲皮膚の定期的な観察やトラブル時のケア方法について長期的なサポートを行なっています(ストーマ外来)。

【高度進行大腸癌について】

 周囲臓器に浸潤するような高度に進行した大腸癌では手術の前に抗がん剤投与(術前化学療法)や、さらには他院との協力により放射線治療を併用して行い(術前化学放射線療法)、がんを縮小させた後に手術を行うことによって安全性と根治性を高めています。

 一方、根治術後であっても再発や転移の危険性が高いと考えられる場合には、予防的に抗がん剤を投与(一般的には6ヶ月間)することの有効性が証明されています(術後補助化学療法)。当院では外来化学療法室が整備されており、リラックスして抗癌剤治療を受けていただけるよう努めています。

【転移を来たした大腸癌について】

大腸癌は肝臓や肺に転移することがありますが、他の固形がんと違い外科的に切除することにより比較的良好な予後が期待できることが証明されています。完治することも珍しくありません。このような転移性大腸癌に対しましても当科では個々の患者様の病状に合わせ外科的切除と化学療法等を併用し、最善の治療法を選択することに努めています。

 当科では転移性肝臓癌に対しても可能な限り創が小さく整容性に優れた腹腔鏡下肝切除術を安全に行っています。転移性肺癌に対しましては呼吸器外科と連携をはかり最終的な治療方針を決定しています。

 

肝胆膵外科について

 

 胆石症、胆嚢炎に対する胆嚢摘出術は、緊急手術を含めほぼ全例で腹腔鏡下手術を第一選択としています。

適宜、おなかの傷を減らしたり(reduced ports surgery)、細径の鉗子を使うことによってより小さな傷にするなど、整容性にも留意しています。す。

 

 

 

 

 

 

 

 



へそ単孔式+3mmポート胆嚢摘出術後1ヶ月 50代男性

3mmポート創は、ほぼ消失してしまうようです

 一方、血管合併切除を伴うような肝胆膵腫瘍に対する高難易度手術もガイドラインに従って積極的かつ安全に行っています。 また肝癌(転移性癌をふくむ)の一部や、低悪性度の膵腫瘍には鏡視下手術を積極的に取り入れています。

腹腔鏡下肝外側区域切除術中写真(原発性肝癌) 
鏡視下脾動静脈温存膵体尾部切除(膵体部良性腫瘍) 

乳腺・甲状腺外科

乳癌にはマンモトームなどによる微小乳癌の診断を積極的に行っています。さらに病理科と連携し術中に迅速診断することでテイラーメイド医療に役立てています。安全性に配慮し、適応症例については形成外科と連携し、乳房再建術も取り入れています。また、乳癌治療において重要な薬物治療も、ガイドラインに基づき積極的に行っています。静注化学療法は主に外来化学療法室で行い、通院で治療を進めています。なお放射線治療が必要な症例は近隣医療機関と連携し治療を行っています。甲状腺外科では主に甲状腺、副甲状腺の手術を行っております。

鼠径ヘルニア

 最近は、全身麻酔下に補強用シートを腹膜前腔に挿入する鏡視下鼠径ヘルニア手術を選択される方が多くなっています(TAPP法)。傷が小さく、患側のみならず両側鼡径床の正確な病体把握と全てのヘルニアタイプの修復が可能で、術後の痛みや違和感も軽微です。また若年性(20~30歳代)の場合には、補強用シートを使用しない鏡視下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(LPEC法)も行っています。もちろん、以前から行われている腰椎麻酔下に鼠径部から補強用シートを挿入する前方アプローチ法も適宜取り入れています。どの手術方法でも入院期間は2~4日ほどです。

肛門外科

痔核、痔瘻などの肛門疾患は生活習慣と密接に関連しているため、手術、術後のフォローだけでなく症状、所見に合わせた日常の注意点なども併せて診察加療しています。また症例によっては、日帰り手術である内視鏡下の痔核結紮術も積極的に行っています。

腎移植外科

当院は、献腎移植登録および定期的な生体腎移植を行っている県下唯一の病院です。腎移植・CAPD(腹膜透析)手術だけでなく、内科との連携により透析患者さんの手術も安心して行えるようにしています。

呼吸器外科

週1回、滋賀医科大学呼吸器外科からの外来を開いています。

過去の実績等

2018年の外科全体手術施行件数は599件であります。
詳細は下記をご覧ください。
外科手術件数

スタッフ紹介

役職 名前(ふりがな) 資格・略歴等
副院長・部長 土屋 邦之
(つちや くにゆき)
  • 昭和56年京都府立医科大学卒
  • 外科学会専門医
  • 消化器外科学会専門医・指導医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本DMAT隊員
  • 日本救急医学会公認ICLSコースディレクター

所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本救急医学会
部長 秋岡 清一
(あきおか きよかず)
  • 昭和63年京都府立医科大学卒
  • 外科学会専門医・指導医
  • 消化器外科学会認定医
  • 乳癌学会認定医
  • 臨床腎移植学会腎移植認定医
  • 透析医学会専門医・指導医
  • 日本移植学会認定医

所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本移植学会
  • 日本臨床腎移植学会
  • 日本透析医学会
  • 日本乳癌学会
部長 中野 且敬
(なかの かつのり)
  • 平成元年 京都府立医科大学卒
  • 外科学会認定医・専門医・指導医
  • 消化器外科学会専門医・指導医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 内痔核治療法研究会 四段階注射法(ALTA療法)講習修了

 

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 日本内視鏡外科学会
部長 門谷 弥生
(かどたに やよい)
  • 平成9年京都府立医科大学卒
  • 外科学会認定医・専門医
  • 乳腺専門医
  • 透析医学会専門医
  • がん治療認定医

所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本乳癌学会
  • 日本乳癌オンコプラスティックサージャリー学会
  • 日本内分泌甲状腺外科学会
  • 日本透析医学会
医長 荒谷 憲一
(あらたに けんいち)
  • 平成21年京都府立医科大学卒
  • 日本外科学会専門医
  • 消化器外科学会専門医
  • 消化器がん外科治療認定医

所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本胃癌学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本内視鏡外科学会
医員 大坂 雅史
(おおさか まさふみ)
  • 平成25年京都府立医科大学卒
  • 日本外科学会専門医

所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本移植学会
  • 日本臨床腎移植学会
  • 日本透析医学会
  • 日本乳癌学会
  • 日本組織適合性学会
レジデント 嶋村 藍
(しまむら あい)
  • 平成27年和歌山医科大学卒

所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本小児外科学会
  • 日本内視鏡外科学会
レジデント 瀧本 篤朗
(たきもと あつろう)

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本小児外科学会
  • 日本内視鏡外科学会
レジデント 武内 悠馬
(たけうち ゆうま)

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本小児外科学会
  • 日本臨床外科学会
非常勤医 大坂 芳夫
(おおさか よしお)
  • 昭和59年京都府立医科大学卒
  • 外科学会認定医・専門医・指導医
  • 消化器外科学会認定医
  • 京都府立医科大学臨床教授

所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本消化器内視鏡学会

各診療科

看護部

薬剤部

医療技術部

その他の部署