糖尿病看護認定看護師とは
糖尿病治療は、高血糖による倦怠感や口渇からの多飲等の症状を改善することはもとより、生活に支障をきたすような細小血管合併症、大血管合併症の発症・進展を防ぎ、健康人と同じ生活の質(QOL)を保ち、健康人と変わらない寿命を全うすることを目指しています。そのためには、長期にわたる良好な血糖コントロールが重要となってきます。糖尿病看護認定看護師は、糖尿病を持つ患者さんを生活者(社会や家族の一員として生活している人)として捉え、生涯にわたり自らの力を発揮してセルフケアを確立していくことができるように、生活やライフイベント、さらには疾患の進行に応じた療養生活の変更を患者さんとともに検討し、実践可能な療養に繋げる知識・技術を持っています。
活動内容
主に入院中の糖尿病患者さんに対して、病棟スタッフとともに個別性に応じたインスリンや血糖測定の手技指導のほか、生活を始めとした糖尿病療養指導を行っています。患者さんの生活スタイルや身体特徴に応じて多職種との連携を図り、外来通院に向けて外来看護師へと情報を引き継いでいます。糖尿病看護外来やインスリンポンプ外来では治療の満足度だけでなく、影響を受ける生活の変化と対処方法について患者さんと一緒に考え、継続可能な療養を提案しています。また、病棟スタッフやラダー1、他部署での学習会では、療養支援や薬剤使用上の看護、糖尿病フットケアについて等の講義を行い、糖尿病看護の質向上を目指しています。
認定看護師からのメッセージ
糖尿病は食事療法・運動療法が治療の基礎であるため、食事や活動という日々の生活の影響を受けやすく、常に生活に気をつけることが必要とされることから、心理的負担に感じられることがあります。そのような中でも、楽しみや目標にされていること・大事にされていることが治療によって絶たれることなく、糖尿病による合併症の発症・進展予防のための治療も両立できるような療養生活になるように関わることを意識しています。私ひとりが支援できる患者さんは限られますので、スタッフとともに学び・考えながら療養生活に関わることで、1人でも多くの支援者を増やしたいと思っています。
初古 智美