方針・理念・目的等

滋賀県東近江医療圏のなかで信頼される泌尿器科を目指して更なる知識習得、技術向上に日夜励んでいます。迅速、正確な診断を心掛け、特に入院期間をできる限り短くし、患者さんが早期に社会復帰できることを目標としています。
また医療圏内での地域連携に力を入れており、かかりつけ医、他病院との連携を密に行い、また、多くの先進医療を行っている病院との連携も大切にし、患者さんの利益を最優先にした医療を提供しています。関連学会や研修会にも積極的に参加発表を行い、常に新しい情報や技術を臨床に活かすよう努力しています。

概要・特色

泌尿器科で扱う臓器は、腎・尿管・膀胱・尿道といった尿路臓器、精巣・前立腺などの男性性器、副腎などの内分泌臓器です。疾患としては、癌・結石・排尿障害・炎症性疾患などがあげられます。

当院には5名の泌尿器科医が常勤し、不妊治療を除くすべての疾患に対応しています。がん治療認定医、腹腔鏡技術認定医、排尿機能専門医が在籍していますので、ほとんどの泌尿器科疾患について、遠方の病院へ出向くことなく世界標準の治療を受けることが可能です。2022年7月に内視鏡手術支援ロボットda Vinci Xiを導入し、前立腺癌および小径腎癌に対するロボット支援手術を開始しました。 入院治療においてはクリニカルパスというスケジュール表を用いて計画的に退院できるようにしています。以下に示す期間については目安であり、場合によっては短縮することもあります。

腎癌 : 小さい穴を数カ所あけて行う腹腔鏡下手術を行っています(9日間入院)。 小さい腎癌に対してはロボット支援手術による腎部分切除を行い、できるだけ腎機能を温存するようにしています。また、転移を有する方に対する分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤を用いた最新の薬物療法も行っています。

膀胱癌 : 内視鏡手術(4日間入院)においては5-アミノレブリン酸(5-ALA)による光力学診断を利用して、肉眼では見えないような小さながんを特定し削り残しを最大限防いでいます。他、膀胱全摘除術と尿路変向術(回腸導管造設術、回腸利用新膀胱造設術など)、膀胱内薬物注入療法、抗癌剤動脈注入、全身化学療法など幅広く治療を行っています。

前立腺癌 : MRIを用いた評価により高い診断率を実現しており、不必要な前立腺生検を回避することが可能となっています。前立腺生検を行う場合でも原則、外来検査として行い、入院の必要はありません。ロボット支援手術(10日間入院)、ホルモン療法を中心に行っています。

尿路結石 : 体外衝撃波結石破砕術は破砕装置モデュリスSLX-F2を備えており、1泊2日の入院で行っています。近年は尿管鏡手術がより安全に行えるようになり、患者さんも単回での完全砕石を希望して尿管鏡手術(4日間入院)を選択されることが多くなりました。尿管ファイバースコープ3本、ホルミウムレーザーを備えております。2cmを超える大きい腎結石に対しては経尿道的手術と経皮的手術を同時に行う(ECIRS手術)ことにより単回手術での完全砕石を目指しています。

尿路感染症 : 結石による腎盂腎炎は泌尿器科で扱う代表的な救急疾患ですが、重症化すると生命の危機を招く恐れのある疾患です。必要時には緊急で尿管ステントを留置し、迅速に対応するよう心がけております。

排尿障害 : 前立腺肥大症や排尿機能障害の診断、治療も多く行っております。前立腺肥大症の治療には前立腺切除装置TURisを備えています。経尿道的前立腺切除術は約1週間の入院です。

主に取り扱う疾患

  • 腫瘍性疾患(副腎・腎・尿管・膀胱・前立腺・精巣など)
  • 尿路結石(腎・尿管・膀胱など)
  • 感染性疾患(腎盂腎炎・膀胱炎・尿道炎など)
  • 前立腺肥大症、尿失禁、過活動膀胱、神経因性膀胱、間質性膀胱炎など
  • 小児夜尿症、水腎症、尿路奇形

過去の実績等

 

2018

2019

2020

2021

2022

外来患者数(人/日)

53.3

49.5

43.0

39.8

40.0

入院患者数(人/日)

11.8

12.0

11.0

8.6

12.5

平均在院日数

7.4

8.2

7.8

6.3

8.2

           

年間手術件数(尿管ステント留置を除く)

347

374

382

319

329

<副腎・腎・尿管>

         

腹腔鏡下副腎摘出術

1

5

4

3

2

腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術

19

21

9

19

13

 うち腹腔鏡下腎部分切除術

2

1

0

1

1

<結石>

         

体外衝撃波結石破砕術

24

47

22

9

8

経尿道的尿管結石摘出術

96

98

113

112

114

<膀胱>

         

膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)

80

71

101

83

89

膀胱悪性腫瘍手術(膀胱全摘)

2

2

0

2

2

 うち回腸導管

2

1

0

1

1

 うち回腸利用新膀胱

0

1

0

0

0

<前立腺>

         

前立腺肥大症手術(経尿道的手術)

35

39

43

24

24

前立腺悪性腫瘍手術

1

1

1

0

10

  うちロボット支援手術

0

0

0

0

10

前立腺生検

121

130

93

89

103

スタッフ紹介

役職 名前(ふりがな) 資格・略歴等
参与
病院事業管理者
宮下 浩明
(みやした ひろあき)

・昭和55年 京都府立医科大学卒
・医学博士
・京都府立医科大学臨床教授
・日本医師会認定産業医
・日本泌尿器科学会専門医・指導医
・日本超音波医学会専門医・指導医
・泌尿器腹腔鏡技術認定医
・日本内視鏡外科学会技術認定医
・専門分野:泌尿器癌、尿路結石症

主任部長 牛嶋 壯
(うしじま そう)
・平成8年 京都府立医科大学卒
・医学博士
・京都府立医科大学客員・臨床教授
・日本泌尿器科学会専門医・指導医
・泌尿器腹腔鏡技術認定医
・泌尿器ロボット支援手術プロクター
・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
・日本排尿機能学会認定医
・日本泌尿器科学会代議員
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会代議員
・専門分野:泌尿器癌、排尿障害
部長 高村 俊哉
(たかむら としや)
・平成20年 愛媛大学卒
・医学博士
・京都府立医科大学客員講師
・日本泌尿器科学会専門医・指導医
・専門分野:泌尿器癌、尿路結石症
医長 岡本 麻
(おかもと あさ)
・平成25年 信州大学卒
・日本泌尿器科学会専門医

・専門分野:排尿障害、尿路結石症

医長 松田 旭央
(まつだ てるお) 
・平成28年 京都府立医科大学卒
・日本泌尿器科学会専門医

・専門分野:泌尿器癌、排尿障害

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