方針・理念・目的等

人間の感覚には視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚(皮膚感覚)の五感があります。感覚矯正科ではこのうちの視覚と聴覚、そして味覚の検査や訓練等を行います。目が全く見えない、耳が全く聞こえない世界を想像してください。人間は視覚や聴覚を奪われると日常生活の困難を余儀なくされます。我々は大切な目や耳の検査を通して皆様の健康と生活を守るお手伝いをしております。

正しい検査を行うには正しい知識と技術が必要です。またそれのみならず患者様の情報を正確に引き出すためのコミュニケーション能力や、患者様に信頼し ていただくための人間性も重要となります。特に視力検査や視野検査などの自覚的検査と言われる検査の結果は、患者様の疲労度や集中力、検査に対する慣れなどにも影響されます。我々はそれらを考慮した上で最善の方法と技術をもって患者様の正確な情報を素早く医師に電子カルテを用いて伝え、診療に役立てていただ くことを心がけております。

概要・特色

眼科の検査は国家資格を持つ視能訓練士が担当しております。視能訓練士とは眼の検査と訓練を行うスペシャリストで、眼科診療に係わる視機能検査全般、斜視・弱視などの訓練指導、集団検診視機能スクリーニング、ロービジョン者へのリハビリ指導などを行っております。このように視能訓練士は検査を行う技師としての部分と、訓練・指導を行うセラピストとしての部分を持ち合わせた職種と言えます。

当科では特に発達段階にある小児の視機能向上に力を入れています。東近江医療圏3歳半健診における精密検査必要児の多くが当院を受診されています。小児の検査・訓練は非常に難しく熟練を要しますが、多数の症例を受け持っておりますのでそれだけ知識と経験が蓄積されていると自負しております。手術が必要な症例も大学病院と連係しつつ対応させていただいております。

目が見える、耳が聞こえるということは眼球や耳だけに問題がなければ良いという訳ではありません。見える・聞こえるためには眼球や耳はもちろんのこと、目や耳から脳へと繋がる神経や脳自体に異常がないことが必要です。よって感覚器の検査や訓練の一部は脳の検査や訓練と言うことができ、感覚矯正科では眼科・耳鼻科はもちろんのこと、それぞれの医師を通じて脳外科や神経内科などとも連携した検査・訓練を行っています。

過去の実績等

眼科部門で行っている検査・訓練

視力検査(ETDRS chart、MNREAD-Jあり)、乳幼児視力測定(TACⅡ、ドットカード、図形視力表、単独絵指標等)、屈折検査(手持ちレフラクトメーターあり)、レンズメーター、視野検査(HFA・FDT・GP・精密その他)、眼圧検査、調節検査(石原式近点計)、瞳孔間距離計、色覚検査(アノマロスコープ、色相配列、定量的色盲表、Variantorを用いた色覚異常模擬体験も可能)、眼位検査(正切尺、プリズム等)、眼球運動検査(Hess)、立体視検査、各種両眼視機能検査(シノプトフォア、バゴリニ等)、弱視・斜視視能訓練、眼底写真撮影(自発蛍光撮影も可能)、前眼部写真撮影、涙液分泌検査、超音波検査(A・Bモード、UBM)、各種ロービジョン補助具処方、コンタクトレンズ検査、角膜形状解析装置、角膜内皮細胞撮影、中心フリッカー値測定、眼球突出度測定、コントラスト感度測定、網膜電位図(ERG、皮膚電極対応も可能)、多極所ERG、視覚誘発電位(VEP)、眼底三次元画像解析(光干渉断層計Cirrus HD-OCT)、光学式眼軸長測定(IOLマスター)

耳鼻科部門で行っている検査

標準純音聴力検査、標準語音聴力検査、チンパノメトリー、耳小骨筋反射検査、電気味覚検査、鼻腔通気導検査、補聴器適合検査

メッセージ

眼科部門より

毎日使わずにはいられない大切な目。目の問題は必ず一生に一度は起こると言われています。若い頃はよく見えていた方も40歳を過ぎた頃から老眼が始まり、 その後は白内障が進み…と目の悩みがつきまとうようになります。幼い子供の場合は自分から見えないということが伝えられないので、見えにくい素振りがあれば親が早期に受診させることも大切です。

我々はQOV(見え方の質)を正確に捉え向上させるプロフェッショナルです。患者様の目の状態を医師に伝え診療に役立てていただくと共に、残された目の能力を最大限に引き出すお手伝いをさせていただきます。また当科では糖尿病患者様の教育入院時に行われる糖尿病教室への参加や緑内障教室の開催など各種疾患の啓発活動や、低視力者の残存視覚を有効に活用するロービジョン外来の開設など補助具作成にも盛んに取り組んでおります。

耳鼻科部門より

人間が人間らしく生きる上でもっとも基本的な機能を扱う耳鼻咽喉科。1人だったスタッフも臨床検査技師とタッグを組んで、感覚器のエキスパートの仲間と日々検査に力を入れております。

毎週木曜日は午後2:00より補聴器外来が開設されております。難聴者のコミュニケーション能力、聴能を高めていただくため、補聴器ディーラーと協力しておりますのでまずは耳鼻咽喉科を受診下さい。

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