方針・理念・目的等

 形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して治療を行い、生活の質(Quality of Life)の向上を目指す診療科です。治療の中心は手術ですが、内服治療、器具による矯正、医療用レーザーなどの非手術的治療も行います。

概要・特色

 当院では2012年より非常勤医による形成外科診療を行って参りましたが、2021年より常勤医2名が赴任し、改めて診療を開始いたしました。これまでは主に皮膚科と連携して皮膚腫瘍の切除術・再建術を中心に行って参りました。それに加えて、顔面や四肢の外傷・難治性創傷の治療、頭頚部再建・乳房再建など、がん切除に伴う組織欠損の再建を他科と連携して行い、東近江医療圏の中核施設としての役割を果たしていきたいと考えています。手術後の目立つ傷あとや外傷後の醜形、ケロイドに対する治療も積極的に行っています。顔面・指趾の先天異常については、京都府立医科大学附属病院と連携して治療にあたります。

診療内容

 形成外科が対象とする疾患は、新鮮外傷、新鮮熱傷、顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷、唇裂・口蓋裂、手・足の先天異常、外傷、その他の先天異常、母斑、血管腫、良性腫瘍、悪性腫瘍およびそれに関連する再建、瘢痕、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド、褥瘡、難治性潰瘍、その他(眼瞼下垂症、顔面神経麻痺、リンパ浮腫など)などです。大まかに言えば、見た目が問題になる部位の治療、治りにくい傷の治療、傷あとの治療を形成外科で行います。具体的に当院で行っているのは以下のような内容です。

新鮮外傷、新鮮熱傷(切り傷、すり傷、やけど)

 皮膚に生じたあらゆる種類の傷を当科で治療します。他院で縫合を受けたあとの処置も承ります。出血が止まらない、広範囲の熱傷など、緊急処置が必要な場合は、救急外来を受診してください。Q&Aもご参照ください。

顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷

 頬骨骨折、眼窩底骨折など中顔面の骨折を多く扱っています。咬み合わせが関係しない骨折については、吸収性プレートを用いた固定術を行います。下顎骨骨折など、咬み合わせが関係する骨折については、チタンプレートを用いた固定を行います。また、歯の問題については近隣の歯科・口腔外科と連携して治療にあたる必要があります。

唇裂・口蓋裂

 京都府立医科大学と連携しながら、地域の窓口として、口唇口蓋裂に関するあらゆる相談を受け付けています。大学病院から専門とする医師を招聘して手術を行うこともあります。

手、足の先天異常、外傷

 多指症、合指症などの手指の先天異常について手術治療を行っています。手指の外傷のうち骨折・腱損傷などは、当院では整形外科が扱っています。切断指および手足の軟部組織欠損については当科と整形外科で協力して行います。

その他の先天異常

 副耳、耳瘻孔などの耳の異常や、その他の先天的な体表の異常について、手術治療を行います。埋没耳などに対する耳の装具治療も行っています。

母斑(あざ)、血管腫、良性腫瘍(ほくろ、いぼ)

 ほくろ・いぼを中心とした「できもの」に対して治療を行っています。特に、顔や手指など、機能的・整容的にデリケートな部位の腫瘍切除術を多く行っています。手術での切除が中心ですが、レーザー切除をお勧めすることもあります。乳児血管腫(生まれつきの赤あざ)に対してはプロプラノロール内服治療が奏功します。これについては小児科と連携して治療を行います。

悪性腫瘍およびそれに関連する再建

 皮膚がんの切除と、それによって生じる傷を閉じるための手術(皮弁術、植皮術など)を行います。詳しくは各種手術の詳細をご覧ください。皮膚がん以外にも、乳がん切除後の乳房再建や、骨・軟部腫瘍切除後の四肢再建も行います。

瘢痕、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド

 「傷あと」に関するあらゆる問題に対処します。拘縮(引きつれ)が生じて機能的に問題がある場合は当然のこと、傷をなるべくきれいに治すための処置・アドバイスも行っています。体質によって生じる肥厚性瘢痕・ケロイドといった傷あとのトラブルに対して、外用剤・内服薬・注射薬・手術・放射線治療などを組み合わせた集学的治療を行います。(詳細はケロイド治療をご参照ください。)

褥瘡、難治性腫瘍

 「床ずれ」を中心とした、治りにくい傷に対して、手術治療や生活上のアドバイスをします。高齢の方については、入院・手術を含んだ積極的治療がご本人の意向や身体的状況に沿わない場合があります。状況に応じて、無理のない治療をご提案します。動脈硬化や糖尿病によって生じる足の傷については、循環器内科・皮膚科・理学療法士・専門看護師と共同して、術後のQOL(生活の質)を重視した治療を行います。他院・他科の手術後で傷がなかなか治癒しない場合も、当科で治療を行います(紹介が必要です)。

その他

・眼瞼下垂
加齢性眼瞼下垂、先天性眼瞼下垂について手術治療を行っています。症状に応じて余った皮膚の切除、挙筋(まぶたをあげる筋肉)の短縮、筋膜の移植によって治療を行います。

・リンパ浮腫
外科手術などの後に生じたむくみ(リンパ浮腫)に対して治療を行っています。むくみの軽減のため、圧迫療法やスキンケアといった複合的治療や顕微鏡を用いた手術療法を行っています。

各疾患については、日本形成外科学会のホームページ<外部リンク>にも詳しく書かれていますので、ご参照ください。当院での手術治療に関する詳細は「当院での治療について」のページをご覧ください。なお、当院では美容外科診療は行っていませんので、ご了承ください。

過去の実績

2020年度手術件数(日本形成外科学会NCD症例区分で分類)

外傷

3

先天異常

0

腫瘍

170

瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド

10

難治性潰瘍

13

炎症性疾患

0

その他

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スタッフ紹介

 

役職 名前(ふりがな) 資格・略歴等

副部長

恋水 諄源
(こいみず じゅんげん)

・平成19年 京都府立医科大学 卒
・医学博士(大阪大学大学院医学系研究科 医の倫理と公共政策学)
・日本形成外科学会専門医
・日本形成外科学会皮膚腫瘍外科分野指導医
・日本創傷外科学会専門医
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
・日本臨床倫理学会 臨床倫理認定士

その他の所属学会
・アメリカ形成外科学会
・日本熱傷学会
・日本生命倫理学会
・日本医療マネジメント学会

医員

矢持 良
(やもち りょう)

・平成28年卒 京都府立医科大学卒

所属学会
・日本形成外科学会
・日本創傷外科学会
・日本口腔外科学会
・日本頭頚部癌学会

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