院長からのご挨拶

近江八幡医療センター 事業管理者・院長 宮下浩明 5月1日に平成から令和に元号が変わります。明治以前は、一般には年号より江戸時代という認識だったと思いますが、明治以降、元号が時代を表すようになっています。明治が45年、大正が15年、昭和が64年、そして平成が31年続いてきました。明治天皇は59歳、大正天皇は47歳、昭和天皇は87歳で崩御されていますが、今上天皇は55歳で天皇となられ、85歳の現在も公務でご多忙な日々を過ごされています。世間では通常60歳定年が多いようですが、天皇には定年がありません。これから令和の時代を迎え、仕事をお譲りになられ、心身ともに少しのんびりお過ごしになられることをお祈りいたします。

 

 さて、働き方改革が叫ばれる中、近年ますます業務量が増えております。労働人口の減少を嘆く前に、発想の転換が必要です。天皇に限らず多くの著名人が歳を召されても頑張っておられます。高齢者は引退と決め付けず、元気な人なら70歳でも80歳でも社会貢献していただけますし、多様な働き方を進めれば、女性ももっと活躍できるものと思われます。さらに医療従事者は日本人という考えも変えなければなりません。医療に携わる職員、特に医師に対する住民の考えも変えていただかなければなりません。少ない医療スタッフに頼り過ぎて疲弊させてはなりません。救急診療のかかり方、救急車の適正使用、病院と診療所の使い分け、限られた医療資源を上手に使うことをしっかりと考えていただくことが、住民自身のためになることを理解していただかねばなりません。

 

 さて、平成30年度の病院事業のデータをご報告いたします。昨年度は病床稼動率91.1%(前年92.2%)、平均在院日数9.0日(9.6日)、と稼働率は若干低下しましたが在院日数の短縮は当センターの運営方針に合致した結果となりました。延べ入院患者135,378人(137,030人)、一日平均入院患者数371人(375人)、延べ外来患者数222,229人(219,409人)、一日平均外来患者数911人(899人)、入院は減少し外来は増加しました。救急受診患者数は年間16,780人(15,344人)、救急搬送は年間5,403人(5,106人)と増加しました。救急外来からの入院は、4,267人(25.4%)と4人に1人が入院しています。

 

 平成30年度の主な出来事をご紹介します。まず4月に「治験管理センター」を創設いたしました。専任の治験コーディネーターを配置し、日本のドラッグラグを少しでも解消できるよう、新規薬剤や診療材料がいち早く使用できる環境を整えました。また12月にはがん診療支援病院としての業務を取りまとめる部門として「がん診療支援センター」を立ち上げました。癌に関連する各診療科、専門的知識をもった看護師・薬剤師・リハビリスタッフ・管理栄養士・社会福祉士などが協働し、治療だけでなく食事指導、費用の相談、就業支援などの生活サポートをも一元化して、がん患者を総合的に支援する体制整備を始めました。トピックスとして、5月に小児脳死下臓器提供が当センター行われ、尊い幼子(おさなご)の命が全国の子どもたちに受け継がれました。8月には溺水者の救命で当センター看護師が表彰されました。また、大阪北部地震、北海道胆振東部地震では災害拠点病院として支援活動をいたしました。皆様の期待にお答えできる、誇りある病院として少しでも社会に貢献できたものと喜んでおります。

 

 令和元年は、当センターの地域医療構想に沿った病院機能の更なる変革に取組むつもりです。急性期病院の最大の使命である手術、インターベンション治療を強化するとともに連携関連施設との密な関係を進め、急性期病院として地域包括ケアの推進にお役に立てる病院を目指します。体制としては、脳神経外科と脳神経内科(神経内科)の合同チームによる「脳卒中センター」を創設し、脳卒中により早期に介入することで治療成績の向上を図ります。また、医療機器に関しては、1.5テスラMRI2機のうち1機を3.0テスラMRIに更新しますので、より精度の高い診断が可能になります。

 

 新年度を向かえ新たな職員が77名入職してくれました。進化、そして深化する医療の需要に応えるべく職員一同頑張ってまいりますが、市民の皆様方、関係各位の皆様方には更なるご支援をいただきますようお願い申し上げます。

2019年4月

院長  宮下 浩明