地域になくてはならない役割を

4月1日付で、院長に就任いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。私自身は、これまで不整脈の診療を中心に、循環器内科医として過ごしてきました。ジェネラルマインドをもった専門医(専門分野は高度に、その他の分野でも初期対応は自分で)を目指してきたつもりです。

 さてこの一年は、新型コロナウイルス感染症の流行で、これまであまり想定していなかった事態に直面し、試行錯誤せざるを得ない状況に追い込まれました。感染患者さんの入院治療、とりわけ滋賀県下の比較的重症な方を受け入れる病院としての役割を担い、一方で感染予防を図りつつ、それ以外の患者さんをできる限り通常通り診療する、という綱渡りが必要でした。感染病棟の拡充に伴い、入院病床が減少し救急や手術等で入院される方の一部制限や早期退院をお願いせざるを得ないこと、感染予防のためご家族の面会制限や外来発熱患者さんの分離、一方で必要な説明等のために来ていただくご家族の来院方法、職員の負担増や配置の変更とさまざまな問題にあたってきました。中には不本意な点やご不便をおかけする面もあったと思いますが、真摯に振り返りつつ、改善していきたいと思います。

 しかしながら、どのような事態に直面しようとも、当院の果たすべき役割は変わりません。すなわち、東近江地域における中核病院として、さまざまな疾患に悩む方々に高度な医療を提供し、また救急救命、災害、周産期母子医療、地域医療などの拠点として活動していかなければならないということです。「救急を断らない」をモットーに、ヘリコプターによる救急搬送を含めて、救急車受け入れは年間約5000件あります。急性心筋梗塞や脳卒中、重症骨折などが多くを占めています。NICU、GCUの整備を背景に高リスク分娩を受け入れ、近隣の産科小児科の減少をカバーして出産数が1年で400例以上と少子高齢化にも関わらず増加しています。これから医師・看護師・薬剤師になろうという学生さんをはじめ、救急隊等さまざまな職種の研修も受け入れ、実践的な教育も行ってきました。熊本での台風による大規模災害の時には、高規格救急車とともに、災害派遣医療チーム(DMAT)が出向いて医療確保のお手伝いをさせていただきました。また、2021年1月には電子カルテシステムを更新しました。新しいシステムで診断・治療の標準化と高度化をさらに進めていく予定です。この4月からは、新しい診療科として形成外科を設けました。常勤2名が着任し、手術後や外傷後の修復をはじめ、患者さんの生活の質や機能の向上に大きく貢献できると考えています。

 当院には、これまで職員が一丸となってみんなで築き上げた「患者さん第一」「地域貢献」の気風があり、今後とも地域における重責を担うべく活動していこうと思います。地域住民の皆様、診療所等の医療機関の皆様、本当に日頃大変お世話になっておりますが、今後ともご支援をよろしくお願いいたします。

2021年4月

院長 白山 武司