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リハビリテーション技術科について

 当科では、脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)、運動器リハビリテーション(Ⅰ)、呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)、心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)、がん患者リハビリテーション、摂食機能療法等、急性期における専門的なリハビリテーションを提供しています。また、集中治療室や救命救急病棟に入院中の患者さんに対しても、早期離床(少しでも早く体を動かすこと)を目的としたリハビリテーションをおこなっています。

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理学療法部門について
作業療法部門について
言語聴覚療法部門について
新人教育・臨床実習プログラムについて
当科での救急対応についてについて
スキルアップ・キャリアアップについて

理学療法部門

理学療法とは

理学療法とは、病気やケガなどによって生じた
心身機能(手足の動き等)の制限
活動(トイレ、更衣、入浴等)の制限
参加(家庭内・地域内役割等)の制限

に対して、検査・測定をおこない、それに基づいた治療を提供することです。
 治療内容としては、筋力トレーニングや関節の柔軟運動、歩行練習やエアロバイクでの持久力トレーニングをはじめ、必要に応じて温熱や電気刺激などの物理療法をおこないます。退院前には、自宅でできる日常生活動作や自主トレーニングの指導、住宅改修や環境設備のアドバイスなどもおこないます。また、当センターは救命センターを併設しているため、人工呼吸器を装着した患者さんの呼吸訓練、早期離床、心臓リハビリテーション等、急性期における専門性の高い理学療法を提供しています。
 近年では、生活習慣の予防・コントロール、障害予防も理学療法の重要な役割となっており、糖尿病や腎臓病の患者さんに対する運動指導、良好な姿勢を保つための車いすや福祉用具の選定など、理学療法の業務は年々拡大しています。

心臓リハビリテーション

 当センターでは、2011年8月より心臓リハビリテーションを開設しました。あまり馴染みの無い言葉だと思いますが、単に”心臓を強くする”という内容ではありません。心臓リハビリテーションとは、「心筋梗塞や心不全、閉塞性動脈硬化症などの病気を患っておられる方達が、より健康で安心な生活を行っていくための取り組みの全て」を指していると思っていただけたらよいと思います。
 運動の特徴としては、血圧や心拍数、心電図など様々な項目をチェックしながら、より安全に且つ効果的な運動をおこなっていくことが挙げられます。また、体力判定のために、心肺運動負荷試験という検査を実施し、運動の強さや日常生活での注意点などを指導させていただいております。
 退院後は外来でのリハビリを継続していただく方も多く、運動療法に加えて、高血圧や脂質異常症など冠危険因子(心臓に悪いとされている因子)を是正し、心臓疾患をはじめ、脳血管疾患や下肢動脈疾患の予防ができるよう、生活習慣改善のための指導も行なっております。これらの生活習慣に関する指導に関しては、医師・看護師・理学療法士・管理栄養士・臨床検査技師・薬剤師など、それぞれの職種が専門性を活かして関わっております。
滋賀県内では、心臓リハビリを実施している医療施設も少ないのが現状ですが、当センターでの取り組みが、東近江地域の健康増進に少しでも関わっていけるようにと考えております。

当センターにおける心臓リハビリテーションの特徴

 当センターでは、入院・外来の方ともに心臓リハビリテーションを提供しております。入院中のリハビリは、開心・開腹術後やカテーテル術後翌日からリハビリを開始し、集中治療室にいるあいだも積極的に起きたり座ったりする練習をおこないます。また、医師、看護師、理学療法士、薬剤師など多職種が毎日カンファレンスを実施し、治療方針やリハビリの進捗状況などの情報を共有しています。
外来リハビリのおおまかな流れとしては、初回に問診・体成分測定・体力測定を実施し、その結果に基づいて一人ひとりの目標や、運動強度を設定させていただきます。体力測定は心肺運動負荷試験(CPX)を実施し、そのかたに適した運動方法や運動の強さ、また日常生活動作における注意点などを詳細にお伝えしています。外来リハビリは週1~2回のペースで3ヶ月程度参加していただき、最終日には上記の各検査結果を確認し、経過が問題なければ卒業になります。

作業療法部門

作業療法とは

 作業療法では患者さんの状態に合わせて、心身または精神の機能改善を援助するために『作業』を提供しています。
 私たちは食べたり、入浴したり、遊んだり、日常生活にかかわるすべての諸活動のことを『作業』と呼び、作業療法では病気でできなくなった作業を再びできるようになるようにリハビリテーションを提供しています。
 当センターの作業療法では、患者さんの能力を「基本動作能力(運動や感覚、認知機能や身体機能)」「応用動作能力(食事やトイレなどの日常生活に必要な能力)」「社会適応能力(仕事や趣味などの能力)」の3つに分け、それぞれの維持・改善を進めながら、その人らしい生活ができることを目標としています。
 例えば、脳卒中などにより急に思うように動けなくなった患者さんに対して、作業療法では患者さんと一緒に目標を決め、その目標に必要な能力の習得を目指します。
 病気を発症してもできるだけ早くから食事や着替え、トイレ動作など自分でできることを増やし『自信・喜び』が持てるように訓練を行っています。単に身体がよくなることを目標にするのではなく、「家族と一緒に家で食事をとるために、起きる練習・車いすに乗る練習・お箸を使う練習をする」など、その人のその時の想いに寄り添えるような作業療法を提供するように心がけています。
 また、作業療法では日常生活に必要な能力を伸ばす練習だけでなく、どうしても能力が習得できなかった場合には、それを補えるような道具(自助具)の提案、住宅改修の提案も行っています。
 なお、当センターは急性期病院(病気やケガ・手術をした直後に入院する病院)のため、急に生活が変わってしまったことで精神的な落ち込みや不安がある患者さんが多く入院しています。作業療法はその不安などへの援助も行い、病気を発症してもできるだけ早期にその人らしく生き生きと再び生活できるような『心と体のリハビリテーション』に日々取り組んでいます。

言語聴覚療法部門

言語聴覚療法とは

 言語聴覚療法とは、「話しにくい」「言葉がでてこない」「飲み込みにくい」「最近食事中にむせることが多くなってきた」といった症状に対して、言語聴覚士が主治医からの指示を受けて機能評価・訓練を行います。そして主治医や看護師、退院支援相談員と共に今後の生活について最適な方法を検討していきます。必要に応じて、ご家族さんにもリハビリの状況を説明させていただき安心して入院生活を送っていただけるように取り組んでいます。

 言語聴覚士による訓練は主に「言語訓練」と「嚥下訓練」に分かれます。脳卒中だけでなく誤嚥性肺炎など飲み込みの機能(嚥下機能)が低下している方にも訓練をおこなっています。集中して訓練に取り組んでいただけるように、リハビリ室に個別療法室を3部屋設けております。また、訓練室に来ることができない患者さんの場合は、病室にて訓練を提供いたします。
 嚥下障害に対してはVE(嚥下内視鏡検査)を実施しております。また、年間件数は少ないですがVF(嚥下造影検査)も行い嚥下機能の詳細な検査を行います。検査は医師が施行しますが言語聴覚士も立ち合い、一緒に評価します。
 少しでも早く退院できるように、入院前の状態に近づけるよう機能改善のお手伝いをさせていただきます。

新人教育・臨床実習プログラム

 当科ではチーム制を採用しており、ベテラン、中堅、若手(新人)からなる小チームを作成し、業務分担や定期的なカンファレンスなどを通して、質の高いサービスが提供できるよう努めております。また、新人教育に関しては、1人の指導者がおこなうのではなく、チーム全体で指導・サポートをおこなっています。
 学生の臨床実習においては、診療参加型実習の形態を取り入れ、医療チームの一員として現場での学習を重視しています。また、指導者のローテーション制をとっており、運動器や脳血管、心臓リハビリ、集中治療室など、さまざまな専門分野を経験できることが特徴です。
 新人教育・臨床実習のどちらにおいても、急性期・救急医療という当センターの特色を活かして、早期リハビリの重要性を理解し、高度なリスク管理のもとリハビリテーションが提供できるような指導を心がけています。

当科での救急対応について

 当科では、年に2回のペースでBLS(Basic Life Support)の訓練を実施しています。BLSとは、状態が急変された際などに実施する一次救命措置のこといいます。内容としては、意識状態や呼吸状態の確認、救急コールやAEDの準備、胸骨圧迫や人工換気などが含まれます。当科の取り組みの特徴としては、実際のリハビリテーション実施場面で(歩行練習中や入浴シミュレーションなど)、さまざまな状況を想定した訓練を実施し、急変の際に迅速に対応できるよう心掛けています。

スキルアップ・キャリアアップ

 当科では、新規資格取得のためのフォローもおこなっています。資格取得までの流れや勉強方法のコツなど、有資格者からのアドバイスやサポートも充実しています。

セラピストが所持している資格例

認定理学療法士
3学会合同呼吸療法認定士
心臓リハビリテーション指導士
腎臓リハビリテーション指導士
糖尿病療養指導士
心不全療養指導士
NST専門療法士
介護支援専門員
認知症ケア専門士

キャリアアップ支援制度

 当院では、研修会や学会参加など自身のスキルアップ・キャリアアップに必要な費用を助成する制度があります。そのため、遠方の学会やセミナー(オンライン含む)であっても費用面の負担が軽減できるため、若いスタッフでも安心して参加することができます。

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